10.

Mugako

バスク現代美術センター、ビトリア＝ガステイス、スペイン
10月13日 - 10月15日

Mugakoのラインナップに目を通すと、2つのことに驚くかもしれない。まずはとても少ないということ。出演者は、わずか21組ばかりなのだ。そしてもう1つは、かなりアツいということ。テクノの衝動的な側面が好きな人は、特にそう感じるだろう。スペイン北部はバスク州の街、ビトリア＝ガステイスにて毎年開催されているMugakoでは、Kubikというナイトクラブと、バスク現代美術センターの2会場でプログラムが繰り広げられる。10月半ばの2日間、この2つの会場には、ピュアで激しいテクノや、よりアヴァンギャルドなサウンドの中から超厳選されたDJとライブアクトが登場する。今年のラインナップでは、JASSSのようなキラーなニューカマーたちと、Silent Servant、Paula Temple、Galaxian、Kassem Mosse、DJ Peteといった経験を積んだマスターたちが揃い踏みする。

RA Pick: Posh IsolationのアーティストCroatian Amorによるオーディオヴィジュアル・ライブセットに惹かれずにはいられない。

09.

Tribaltech

TBA、クリチバ、ブラジル
10月7日 - 10月8日

ブラジルで最も人気のあるフェスティバルの1つとして、Tribaltechには毎年大きな期待が寄せられている。今年の会場に選ばれたインダストリアルなスペースについての詳細はあまり分かっていないが、過去の開催から判断するに、今回もまたどこか違う世界に来たようにすら感じる様々なデコレーションが施されるはずだ。午後から夜にかけて繰り広げられる巨大なセッションの為に、50組以上のアーティストがクリチバの街に集結。XDB、Margaret Dygas、Daniel Bellのような一流のセレクターが登場するほか、Octave One、Stephan Bodzinといったライブテクノアクトによる、会場にピッタリのハイエネルギーなビートを浴びることができるだろう。

RA Pick: Ion Ludwigのライブショウから、ミニマルなファンクが溢れ出す。

08.

Semibreve

Theatro Circo Club、ブラガ、ポルトガル
10月27日 - 10月29日

テクノロジー系スタートアップに興味がある人たちや、テクノフェスティバルが好きな人たちから、現在ポルトガルに大きな関心が集まっている。Semibreveは、そんなこの国のフェスティバルシーンにおけるダークホースであり、数年間かけてひっそりと、ポルトガルのベストフェスティバルの1つへと成長してきた。参加者の多くは地元民であり、国外から訪れた人たちには、しっかりと守られてきた秘密に触れているような感覚を与える。1900年代初頭に建てられたブラガの劇場、Theatro Circoの世界観は、限界を超えていくようなエレクトロニックアーティストたちを刺激し、彼らのパフォーマンスを新たな高みへと進めていく気にさせる。Beatriz FerreyraやFis、Visible Cloaksといった想像力のあるアクトたちがラインナップされた今年は、この現在勢いに乗っているフェスティバルに参加するのにバッチリのタイミングかもしれない。

RA Pick: Laurie Spiegelのインスタレーションを体験するチャンスを逃してはなならない。

07.

Phono Festival

TBA、オーデンセ、デンマーク
10月12日 - 10月15日

デンマーク人か、もしくは地理好きでもない限り、オーデンセという街の名前を聞いたことはないかもしれない。そして、あなたがヨーロッパのエクスペリメンタルミュージックシーンに詳しくない限りは、その街で10年以上に渡り続いているフェスティバル、Phonoについて知らないかもしれない。Phonoは、カッティングエッジなエレクトロニックミュージックを熱心なオーディエンスたちへと届け、そして大都市のフェスティバルには不足しがちな感覚を生みだす、重要なイベントだ。デンマークまで旅する価値のあるヴァイブが、確かにそこにある。Oliver Coates、Porter Ricks、Yally (AKA Raime)といった比類ないアーティストたちが出演する今年は、尚更のことだ。

RA Pick: Kara-Lis Coverdaleのライブパフォーマンスにはいつも驚かされる。

06.

III Points

Mana Wynwood、マイアミ、アメリカ合衆国
10月13日 - 10月15日

5年前に初開催されたマイアミのフェスティバルIII Pointsは、ダンスミュージックと実験的アンサウンド、その他様々なポップ、ヒップホップ、インディーのミューテーションの創造力に富んだ中間を見出したラインナップで、その得意分野を確立してきた。今年のラインナップではその図式がバッチリと仕上がっており、Daniel AveryやJohn TalabotによるDJセットや、ABRA、Thundercat、Yves Tumor、Danny Brownのライブパフォーマンスが決定している。アヴァンギャルドなアクトのほかビッグネームの出演も決定しており、第1弾ではThe xxやGorillaz、第2弾ではKaitlyn Aurelia Smithや、Brian Enoによるオーディオ員スターレーションThe Shipが発表された。秋真っ盛りのマイアミの夜という環境の中で、夢のような週末が過ごせそうだ。

RA Pick: 現在エレクトロニックミュージックにおいて最も印象的なライブアクトと言っても過言ではないArcaとJesse Kandaを見逃したら、あなたはきっと後悔する。

05.

Movement Torino

Lingotto Fiere、トリノ、イタリア
10月25日 - 11月1日

2017年のMovement Torinoは過去最大規模での開催となり、10月28日と31日には巨大な国際会議場を舞台にショウが繰り広げられる。例年同様、このデトロイト発の人気フェスティバルのヨーロッパ版の今年のラインナップは、シーントップクラスのハウス/テクノアクトが勢揃い。Sven VäthやSonja Moonear、Cobblestone Jazzと並び、本拠地デトロイトからはJeff Mills、Octave One、Mike Huckabyらが出演する。その他、小規模のイベントもトリノの街各地の風変わりなロケーションで行われるほか、レクチャーやワークショップなども企画されている。

RA Pick: Rhadoo、Petre Inspirescu、Rareshの3人が link up as RPR Soundsystem名義で揃って登場する時は、いつだって火花が散るほど盛り上がる。

04.

Simple Things

ブリストル、イギリス
10月21日

そのタイトルにも関わらず、Simple Thingsは決して容易な道を選ばない。2011年にの着想以来、同フェスティバルは野心的なプロジェクトであり続け、ダンスミュージックの全領域のみならず、ロック、ポップ、グライム、アンビエントなど、非常に幅広いブッキングポリシーを掲げている。DJと並んで、バンド勢も数多く登場。1つの会場に全アクトを詰め込むのではなく、より流動的で豊かな体験を実現すべく、イベントは様々なスペースで繰り広げられる。（ブリストルは小さな街なので、どの会場にも徒歩で移動することができる。）2017年のラインナップは、今までになくアドベンチャラスに感じる。金曜の夜にはオープニングアクトのMetronomyがフルライブパフォーマンスを披露し、土曜のメインイベントではBinh、The Bug、John Maus、Leftfield、GAIKA、Jlinといった面々がプレイ。更に、日曜にはColston Hallで何かが起きるようだが、詳細に関しては現時点では不明だ。

RA Pick: John Mausが、待望のニューアルバム『Screen Memories』の収録曲を披露する。

03.

MUTEK.MX

Foto Museo Cuatro Caminos、メキシコシティ、メキシコ
10月11日 - 10月15日

2003年から続くMUTEK.MXは、本拠地モントリオールのMUTEKとほぼ同じくらいの歴史を持つ。故に、オペレーションが研ぎ澄まされているのも当然であり、MUTEKのエレクトロニックミュージックとデジタルアートに対するユニークなヴィジョンを、毎年メキシコに紹介している。14回目を迎える今年は、このインターナショナルなフェスティバルが長年世界のベストの1つに据え続けている本質をしっかりと守り、Second WomanやSarah Davachiといった強力な新鋭から、Alva Noto、Squarepusher、The Orbらベテランのイノヴェーターたちをラインナップ。また、Dorisburg、Rødhåd、Aurora Halalなど、パーティーの雰囲気をキープするハウス/テクノアーティストたちも数多く出演する。

RA Pick: Dean Bluntのライブショウは完全に予測不可能。つまり、見逃す訳にはいかないということだ。

02.

ADE

アムステルダム、オランダ
10月18日 - 10月22日

理論上は、ADE以上に大掛かりなダンスミュージックのラインナップはこの世に存在しない。“世界最大規模のクラブフェスティバル”と謳われる、この5日間に及ぶイベントでは、パーティー、インストアイベント、ワークショップ、トークプログラムなどなど、膨大な数のプログラムが繰り広げられる。だが、怖じ気づくことはない。一度プログラムを理解すれば、たくさんの素晴らしい音楽にすぐそこで体験できるという可能性に、エネルギーが沸いてくるはずだ。クラブは、もはやそれ自体がアトラクションとなる。我々のカウントによると、アムステルダムでは2017年現在440軒以上のヴェニューが営業しており、24時間の営業ライセンスと最高のサウンドシステムを備えたワールドクラスのスペースも数多く存在する。そんな中で、世界各地のプロモーターがRicardo VillalobosやVeronica Vasicka、DJ Stingrayといったアーティストをフィーチャーし、様々な形式やサイズでパーティーが繰り広げられる。アムステルダムは世界で最も小さなメトロポリスかもしれない。だがADEの期間中だけは、他に引けを取らないほど忙しなく賑やかな街となる。

RA Pick: RAが昨年に続き、土曜の夜にRADIONへ舞い戻る。今回はUmfang、DJ Nobu、そしてヘッドライナーのBen UFOをゲストに迎える。

01.

Unsound

クラクフ、ポーランド
10月8日 - 10月15日

第15回目を迎えるUnsoundのテーマは"Flower Power"。創設者のMat Shulzはこのテーマについて、「今までになく早く針を進める世界終末時計の影響下で生きる感覚へのレスポンス」であると説明している。そのアイディアが、実際どのようにしてフェスティバルでの体験に入り込んでいくのかを言葉にするのは不可能だが、このゴールは、Unsoundに関する決定的な何かを物語っている。同フェスティバルのプログラムには、おそらく他のどんなイベントよりも、音楽的にも、更にはもっと広い意味でも、今現在しか感じられない空気が反映されている。ラインナップは異なるサウンドのまばゆいばかりのマトリックスとなっており、モダンなヒップホップやダンスホール、クドゥーロ、テクノ、そして言葉では説明できないほど型破りな様々なスタイルまでをカバー。24時間の内に、DJ BoneとDJ Stingrayによる猛烈なB2Bから、インドネシアのガムラン楽団によるMoondogの楽曲のパフォーマンス、更にはニューヨークの先見性のあるストリートパフォーマーなどを見ることができる。参加者側からすると、Unsoundは予測不可能で、時には混乱することもあるほどだが、それは冒険的な音楽のファンならば誰もが好むことだ。1つのパフォーマンスを見終わり、次の場所に移動している間は、どんなものが自分が待ち受けているのかなどほとんど想像がつかない。そして終了した時には、何だかすごい体験を体験したという気持ちがあなたの中に残るはずだ。

RA Pick: ドイツのインダストリアルの先駆者Einstürzende Neubautenは必見だ。

10月に各地で開催されるフェスティバルのリストはこちらでチェック。