10.

Freedom Time

コバーグ競輪場、メルボルン、オーストラリア
6月30日

2回目の開催となるFreedom Timeウィンターエディションでは、コバーグ競輪場の質素で埃っぽい敷地を、プロジェクションとインスタレーションの宝庫へと変身させる。1つのステージにスターアーティストたちを引っ切り無しに出演させるのではなく、今回オーガナイザーは3組のクルーとタッグを組み、それぞれの音楽分野の中でキュレートしてもらうことによって、“メインステージというリチュアルに一石を投じた”。メルボルンの人気ユニットSleep DはButter SessionsステージにJoe ClaussellとKuniyuki Takahashiをラインナップ。一方のWax'o Paradisoは、Dopplereffektによるエレクトロイドな宇宙探検やVeronica Vasicakaによるミニマル・ウェイブでダークサイドに突き進む。だが最も注目したいのは、ダンスミュージックの中でもオブスキュアで神秘的なサウンドをプッシュするDJのオールスターを集結させたMusic From Memoryだ。

RA Pick: Dip In The Poolによるジャパニーズ・ドリーム・ポップは大ヒット間違いなし。

09.

Her Damit

ベルリン、ドイツ
6月8日 - 6月10日

冷戦時代の貯蔵庫でのレイヴだなんて、ベルリン周辺でしか起こり得ないような出来事だろう。今年で2回目を迎えるフェスティバルHer Damitは、ドイツ民主共和国の内務省が使用していた地下施設に、新たな命を吹き込むことを目的としている。ベルリン市内にある工場や発電所を再利用した他のクラブ同様、Her Damitのオーディエンスは、力強いテクノ（Norman Nodge、Kobosil）やジャッキンなハウス（Roman Flügel、Eris Drew）など、世界で最もエキサイティングなDJたちを巨大なコンクリート空間の中で体感することができる。

RA Pick: ついに世界中のオーディエンスの注目を集め始めたシカゴ拠点のパーティー・ロッキングなDJ Eris Drewによる、マザービートで踊ろう。

08.

Strange Sounds from Beyond

Noorderlicht、アムステルダム、オランダ
6月23日 - 6月24日

Rush Hour、Red Light Radio、そしてThe Rest Is Noiseという素晴らしいクルー3組が集い、今年初めて2日間に拡大して開催されるStrange Sounds From Beyondをホストする。NDSMワーフ内のクリエイティブ・スペースNoorderlichtが会場となる同フェスティバルは今回、DopplereffektやI-Fによる鋭いエレクトロから、ローカル・ヒーローのAntal、DJ Marcelle、Young Marcoによるオブスキュアなハウスとディスコまで、レフトフィールドなビートをプッシュするアクト50組以上を招聘。アムステルダムの街では毎週末大型レイヴが繰り広げられているように思えるが、だからこそStrange Sounds From Beyondのようなこじんまりとしたフェスティバルは、よりスペシャルに感じられる。

RA Pick: 地元の人気アーティストDJ Marcelleによる奇妙なサウンドは、アムステルダム市外でもその波を起こし始めている。ホームグラウンドでの彼女のプレイは必見だ。

07.

Junction 2

ボストン・マナー・パーク、ロンドン、イギリス
6月9日

高騰する家賃、終わりのない官僚政治、厳しい騒音規制––これらの問題によって、ロンドンは素晴らしいフェスティバルを開催するのには困難な場所になってしまった。だが、困難だからと言って不可能なわけではない。地元プロモーターLWEが手がける毎年恒例のワンデー・イベントJunction 2は、十分な経験と熱意があればロンドンのハウス/テクノシーンに相応しいフェスティバルを開催するのも可能だということを示す、輝かしい例だ。その壮大な会場と特注のプロダクション、強力なサウンドシステムを補完するべく、主催チームは今年もまた涙もののラインナップを実現。LSD、Len Faki、Dixon、Tale Of Us、Nina Kraviz、Joy Orbisonらが出演するほか、Carl CoxとAdam Beyerが初めてのバックトゥバックに挑む。

RA Pick: Nicolas LutzとSonja Moonearが、Junction 2におけるトリッピーなサウンドにフォーカスしたステージThe Woodsで相対する。

06.

Field Day

ブロックウェル・パーク、ロンドン、イギリス
6月1日 - 6月2日

2017年のField Dayは、素晴らしいパフォーマンスの数々とAphex Twinによって大盛況を見せたメインステージのおかげもあり、弾むような足取りで終演を迎えた。10年以上に渡るホームであったヴィクトリア・パークを離れ、ブロックウェル・パークに会場を移すこのロンドン拠点のフェスティバルは、昨年の爆発的なエネルギーを2018年に持ち込む。今年のラインナップは、Field Dayが長年重要なイベントであり続けている理由を示すリマインダーとなっている。DimensionsやCRACK、The Hydraとタッグを組み（Resident Advisorも忘れてはならない）、同フェスティバルはFever RayやErykah BaduからMadlib、Thundercat、そしてJeff Millsまでと、エクレクティックかつモダンなラインナップを組んだ。

RA Pick: ObjektとBatuが、Resident Advisorステージでバックトゥバック・セットを披露する。

05.

AVA Festival

S13 Warehouse、ベルファスト、イギリス
6月1日 - 6月2日

昨年、ベルファストのAVAは開催期間を1日から2日に拡大し、それはフェスティバルが好調であることの何よりのサインだった。そして今年は、'90年代当時はイギリス国内で最大規模のウェアハウスと言われていた巨大なスペース、S13 Warehouseに会場を移した。だがStephen Titmusが指摘している通り、AVAがスペシャルである理由は、その開催期間でも、サイズでも、ましてやラインナップでもない。それは数千人の、若く、時に上半身裸になったレイバーたちであり、彼らが世界的に見ても最高のフェスティバルの雰囲気を作り上げるのに一役買っているのだ。2018年、その若者たちは、Bicep、Saoirse、Mano Le Tough、Hunee、Helena Hauff、そしてKiNKといった、地元アイルランドのヒーローたちと世界各国のスターアクトのセットで踊ることとなる。

RA Pick: ベルファストで初ギグとなるLarry Heardに、全員の視線が注がれている。

04.

Gottwood

Carreglwyd Estate、ウェールズ、イギリス
6月7日 - 6月10日

雨が毎年恒例のテーマだったり、数千数万人ものクラウドが毎年宗教的に参加し続けている様子を見ると、そのフェスティバルはスペシャルに違いないと誰もが思うだろう。Glastonburyのように、Gottwoodもまたそのバッジを誇らしげに身につけ、太陽が昇った時にヴァイブは最高潮に達するという知見にも自信を持っている。それは、草木の生い茂る広大な庭園と湖のあるジョージアン様式の魅力的なカントリー・ハウス、Carreglwyd Estateを会場に選んでいることにも関係する。息を飲むほど美しい自然と、Andrew WeatherallやBen UFO、Sonja Moonear、Commix、Willow、Hunee、その他多くのアーティストによる音楽によって、最高の時間を過ごす為のレシピがここに完成している。

RA Pick: Zipは出演するフェスティバルを選り好みすることで有名だが、彼が4年連続でGottwoodに出演している事実が、このイベントの素晴らしさをよく物語っている。

03.

Terraforma

アルコナーティ邸、ボッラーテ、イタリア
6月29日 - 7月1日

年を追うごとに、Terraformaはヨーロッパのフェスティバルシーズンの中での輝きを増している。ミラノ郊外の森の中でひっそりとしていながらもサステナブルなオペレーションを続ける同フェスティバルは、 Labyrinthのようなイベントに見られるタイプの崇拝を集め始めているが、今存在する他のフェスティバルに比べてより多くの音楽的多様性を3日間に詰め込んでいる。メインアクトにはDonato DozzyやRabih Beainiが名を連ねるが、2018年はNkisi、Lanark Artefax、Byetoneなど超近代的なエッジも取り入れている他、PowderやPLO Manといった自由奔放で幅広いDJや、BatuとDON'T DJによるカッティングエッジなリズム、そしてJeff Millsによる高々と上がるテクノも聴くことができる。

RA Pick: Vladimir Ivkovicが、この環境の中で圧倒的な存在感を見せつけるだろう。

02.

Love International

The Garden Tisno、ティスノ、クロアチア
6月27日 - 7月4日

"The Adriatic Love Affair Continues.（アドリア海の熱狂は続く。）" このメッセージは今年のLove Internationalのフライヤーの一番下に記されているものであり、これ以上真相に迫った言葉は未だかつて存在しない。10年前にThe Garden Festivalが始まって以来、アドリア海沿岸の木漏れ日が射すロケーションと、毎年夏に開催されるようになった素晴らしいフェスティバルの数々が相まって、ティスノはダンスミュージックにおいて最も愛される旅先の一つとなった。近年、Love International（自らが“The Garden Festivalの精神的につながる後継者”と謳う）はその先頭に立ち、1週間に渡る選りすぐりのハウスとディスコを繰り広げている。Avalon EmersonとBicep、Intergalactic Gary、Joy Orbisonが、ボートやビーチ、そして伝説的なオープンエア・ナイトクラブBarbarella's Discothequeにブックされていることを考えてみてほしい。1週間の休暇を過ごすのにこれ以上良い場所が思い浮かぶという人がいたら、我々も是非その場所を知りたい。

RA Pick: イタリアン・ディスコのドンDaniele Baldelliが登場。

01.

Sónar

Fira Gran Via、バルセロナ、スペイン
6月14日 - 6月16日

バルセロナ発の音楽とテクノロジーの祭典、Sónarは、25周年を記念して音楽を宇宙空間へと送信した。より詳しく説明すると、彼らはAutechreやNina Kraviz、Matmosらの楽曲を、地球から12.4光年離れた惑星、GJ 237bに向かって発した。この話や今年のフェスティバルのラインナップからも、彼らがいかに25周年に力を入れているかが分かるはずだ。2018年のプログラムは、エレクトロニックミュージックの世界とその向こうにある、ほぼ全ての先端にまで到達しており、SOPHIEやDJ Stingray、Motor City Drum Ensembleから、ModeselektorやThom Yorke、更にはWiley、Diplo、Gorillazまでが登場する。また、Ryiuchi SakamotoとAlva Notoは、新作オーディオヴィジュアルショウ『Two』のたった3回の公演のうち1回をここSónarで行う。2manydjsはJames Murphyと共に、Despacioのサウンドシステムでデイリー・セッションを繰り広げるほか、MurphyはLCD Soundsystemとしても出演する。四半世紀前に始動して以来、Sónarはその時それぞれのエレクトロニックミュージックの時代精神の大部分をキャプチャーするラインナップを揃えてきた。今年はそれが、過去最高と言っていいレベルで実現されている。

RA Pick: 土曜日にはRAがテイクオーバーするSonarLabステージで、Lanark Artefaxがライブを披露する。

6月に開催されるフェスティバルのリストはこちらからチェック。